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「ミーティングを始めるのはよいが、なかなかまとまらない。」

そのような経験は多いだろう。では逆に、話が思ったよりも早くまとまった経験はあるだろうか。私は、上手くまとまった要因は自分である、と確信したことはほとんどない。上手くまとまった場合のミーティングでは、必ずと言っていいほどある特徴を持った人がいた。それは話の進行が上手い人だ。あれは自然と習得できるものなのか。可能であるならば、私も上手く話しをまとめる技術を習得したい。もしかすると、この本がヒントを与えてくれるかもしれない。

 

【本の概要】

 

「問題解決」「ロジカルシンキング」「交渉術」「心理操作法」より効果的!どうしようもないもめごともまとめてしまう、リーダーシップの決定版。今話題のファシリテーター(話をまとめる専門家)が、「話がまとまるとはどういうことか」「自分が本当に望んでいるものは何か」「自分の価値を明確にする」「戦略的に緊張構造をつくりだす」「組織に動いてもらう」「相手主義」「話を聞く」「それでも話がまとまらないとき」(アマゾン内容紹介より)

 【重要ポイント】

 

 ●1.話がまとまる3つのステップ = ①ゆるめる(明らめる)②伸ばす③縮める

 

この本で明かしていく方法は、話の構造をゆるめる(あきらめる=明らめる)、達成したい目標を現状のしがらみから切り離し、引き伸ばす、そして切り離した目標を現在にひきつけ、縮める、という大きなステップを踏むことになります。(p26)

●2.なぜあなたは話をまとめようとしているのかを考える

目的を知る努力を省いて、「どのように」と問い始めることが最も危険で、最も無駄なことです。そもそも取り組むべき価値や意味があることなのか、自分にとって大切なことなのか、目的を知る前に方法を講じることはやめましょう。(p33)

 ●3.自分の価値を明確にする

日常生活において、とっさに友人を守ったり、顧客を優先したりするためには、自分自身の「マスク着用」を済ませておいたほうがいいと思います。自己犠牲を前提にした人助けは、立派に見えるかもしれませんが、長続きしません。我を忘れて献身的に人の役に立つためには、自分自身の本来の欲求を知り、それがすでに満たされていることを知っておくことが先決です。もう自分のことはいい、自分を人のために役立てよう、と思えることが重要な通過目標です。(p43)

お金や電話が道具であるように、自分が持っている才能やスキルもまた道具です。持っている道具をタイミングよく使うためには、自分がどんな道具をすでに持っているのかをきちんと把握しておくことが必要です。(p44)

●4.戦略的に緊張構造をつくりだす

ビジョンと現実との間に輪ゴムをかけてみましょう。このふたつの間の距離が長ければ長いほど大きな緊張関係が生まれます。輪ゴムはぴんと張って縮もうとします。この力が緊張構造の動的なエネルギーです。(p54)

「ビジョンを展望する」のではなく、「ビジョンから展望する」ことによって、チャンスとエネルギーを生み出します。これが緊張構造のパワーです。(p69)

「ビジョンが何であるかよりも、ビジョンが何をするかが大切である」(p70)

●5.組織そのものを相手にしない

成功の鉄則は、一人ひとりの個人を選んで相手にすること、です。大きな組織でも小さな組織でも同じです。(p82)

味方チャート全体を見渡して、クールに判断しましょう。自分の戦略意図に対してどんな協力が必要か。どんな抵抗に出会うか。大局を見て判断するのです。(p90)

同じ作業に取り組んでいても、チームのメンバーが「何のために」(why)への答えを持っているか否かで雰囲気はまるで異なり、結果も変わってきます。(p106)

 

●6.相手主義を実践する

本当に相手主義を実践するためには、「自分主義」ができていることが必要なのです。矛盾のように聞こえますか。自分を中心にして相手を見ることがまずできていないと、相手を中心に自分を見ることができないのです。(p112)

●7.傾聴のレベル3を目指す

一所懸命に考えて理詰めで整理して、ああでもない、こうでもない、と悩んで、一度あきらめるフェーズを経て、自分の意識を緩めたときに、ふっと相手の世界が見えたり、広い世界を感じ取れたありすることがあります。(p146)

 

【感想】

 

 ■「話がまとまる」プロセスには原理原則があるという。多くの人達が経験的に気づいて実践しているが、それは経験的であるがゆえに、まとまった体系としてほとんど示されていない。そこで著者は「ファシリテーション」という方法を用いて私たちにより実践的に使えるように、本書で順を追って示している。「ファシリテーション」とは、(物事を)容易にする、円滑にする、促進することを意味する。一般的にはグループ活動が円滑に行われるように、中立な立場から支援を行うもので、会議のための技法である。本書において、「ファシリテーション」は問題解決法や交渉術などとは似て非なるものとしている。私は、この問題解決法に大切なこと=ロジカルシンキングだと思っていた。しかし、どうやらロジカルシンキングは「話がまとまる」入り口に過ぎないらしい。論理にとどまらず人間の心理、組織の力学にまでに踏み込んでいく必要があるとしている。イメージ的に、問題解決は厄介なものを取り除いて、また新たに発見した問題(厄介なもの)を取り除いていく。それに対して、「話がまとまる」考え方は望ましい成果を生み出そうとしている。なるほど。たしかに、ある問題が出てきた時に、状況全体を理解するよりも先に問題を解決する行動に移ってしまうことが多い。そして、いつのまにか新たな問題が出てきて問題を解決しようとする。問題解決の当初の動機がだんだん弱くなるあの感覚だ。あなたにも似たような経験はないだろうか。

 ■著者がロバートフリッツの考え方を大切にしていることが文章から読み取れる。緊張構造の輪ゴムの説明は非常に分かりやすい。図も描いてあり、イメージがすぐに浮かぶ。さらに、「ビジョンが何であるかよりも、ビジョンが何をするかが大切である」ということから、明確な意図が大切であることも分かる。本来は、明確の意図のもとに努力するものだが、努力自体が目的化してしまうことが多い。努力は手段であり交換可能であるから目的を見誤ったときに手段を変える必要がある。そして、組織を動かすには味方チャート、責任チャート、タッフマンモデル、傾聴の3つのレベルなどが必要になることが分かる。たしかに本書は具体的な演習をところどころに課してある。行動に移しやすくしてくれる。しかし、これらの能力をマスターするには時間がかかる気がする。具体的だが、少し抽象的な印象を受ける。もう少し、実際のビジネスシーンの例を記して頂けるとより具体的にイメージでき、これらの作業がはかどる気がする。しかし、図も多く描いてあり、ガンジーやマーチンルーサーキングなどの例で著者の説明に納得することが多い。さらに、知らない理論を多く学ぶことができ非常に勉強になる。細かいことはオリジナルの読書ノートに書き込んだので何度も復習し、意識した生活を送っていきたい。

詳しいことは書ききれていない。もし、興味があればご確認下さい。

  

プロファシリテーターのどんな話もまとまる技術

 満足度:☆☆☆  付箋数:34  

   

タイトル:プロファシリテーターのどんな話もまとまる技術

著者:田村 洋一(たむら よういち)

出版社:クロスメディア・パブリッシング

ページ数:224

 

 

【編集後記】

 

初投稿の記事である。まだスタイルが確立していないが、とりあえず投稿しながら修正していきたい。記事を投稿してみて改めて、読解力とライティングスキルが乏しいことを痛感した。そして、まだまだ感想の量が少ない。これからさらにOutputを意識した記事を投稿していきたい。応援宜しくお願い致します。