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「 プロカウンセラー?おれ、そんなに精神面病んでないけど・・・」

 コミュニケーションって難しい。「あれ、意外と自分、面白い話できるじゃん。」と思うこともあるが、「あ、ダメだわ。詰んだわ・・・」と会話が止まるときもある。おそらく、相手も同じように思っている。そんなとき、やはり、「自分にはコミュニケーション能力が低いのだなぁ・・・」と実感する。そんなあなたは「プロカウンセラー」のコミュニケーションの仕方をご存知だろうか?あなたがもし、大学生であるならば就職活動の際に、キャリアカウンセリングを受ける機会があるかもしれない。そのときに、「あぁ、この人はなんて話しやすいのだろう」と思う機会があるはずだ。そんな「プロカウンセラー」のテクニックを、今回紹介していく。少しでも、あなたの人間関係に役立つように。

 

 

【本の概要】

良い報告を受けたからといって「良かったね!」と言ってはいけない。「そうかぁ」「そうなんですか」は、魔法のあいづち。大きく。深く。うなずきは、オーバーなくらいがちょうどいい。「オウム返し」には、話し手の考えが整理されるメリットも…。聞き上手話し上手になるための57の極意。(アマゾン内容から)

【重要ポイント】

1.会話に結論は必要ない。それは相手が自分で出すもの

 

相談された側は打ち明けられた悩みに対して、解決策やアドバイスなどの「結論」を出す必要はないのです。(p36)

「相手のことを無条件に受け入れて、相手の心に寄り添いながら共感して話を聞くということ」、これをカウンセリングの専門用語で「傾聴(けいちょう)」と呼ぶ。

あなたは友達や同僚から悩みを相談された経験があるだろう。思い出してほしい。そのとき、なんとか相手の役に立ちたくて、すぐに解決策などのアドバイスをしてしまった経験があるはずだ。私も同じ経験がある。だが、それではダメだと著者は言う。気持ちは分かるが、それでは相手に「わかってもらえた」と実感してもらうことはできない。よく覚えておいてほしい。相手はあなたにアドバイスを求めているわけではなく、あくまでも話を「聞いて」ほしいのだ。

◆このような「傾聴」ができていると、話している相手は最終的に「ふたりでいるような、ひとりでいるような」感覚になっていく。それはある意味、うまく自問自答できているという状況である。自分自身の内なる声に耳を傾けることができている心理状態となるらしい。相談者自身が決めたことこそが、本質的な問題の解決に結びつくのである。

2.共通点を探すのは間違い。知らない話題のほうが盛り上がる

そんなときに共通の話題を探そうとするのが、そもそも間違いなのです。初対面の人との会話というのは、実は知らない話題のほうが盛り上がるからです。(p58)

◆初対面の人と話すとき、どうしても共通の話題を探してしまう。なぜなら、共通の話題があれば話が弾み、盛り上がると思い込んでいるからだ。もちろん、共通の話題(私の場合は、「サッカー」や「ジブリ」、そして「ピューと吹く!ジャガー」など)があれば盛り上がることはあるだろう。だが、共通の話題が見つからない場合、あなたはどのような会話をしていたのか。以下のようなかんじではないだろうか。

「趣味とかありますか?」

「いや、とくに・・・」

「あ、そうなんですか。ふだん、何をしているのですか?」

「ふだん・・・ですか、え~とくに何も・・・あ、読書してます。」

「読書ですか~。自分は、あまり読書しないんですよね~。」 

「へぇ~・・・」

「は~い・・・」

◆ 共通点を探そうと一生懸命になっていると、共通点が見つからなかったときには会話が一向に盛り上がらなくなってしまう。だから、共通点を探そうとするのではなく、知らない話題のほうが盛り上がると、これまでの考え方を改めることが、初対面の相手との会話では重要なのである。初対面の人との会話こそ、聞き上手になれるチャンス。たとえ、あなたが知っている話でも知らないふりをして話を聞いたり質問をしたりするほうが賢明である。

3.「不思善悪」の心構えで相手の話を聞くこと

必要なのは、善悪の判断ではなく、あくまでも相手の気持ちに寄り添って、しっかりと相手の気持ちや考えを受け止めていく(=受容)ことなのです。(p69)

「善悪の判断をしないこと。相手が話している内容について、善悪の価値判断をしないということ」、これを仏教用語で「不思善悪」と呼ぶ。

例えば、以下のような相談をあなたがされたとする。

「俺はダメなんだよ。生きてる価値がない・・・誰も必要としていない。もう限界。」

あなたは、「そんなことないよ」「価値はあるよ」「すばらしい人だ」 などと励ましたくなるだろう。相手を受け入れたいがために。しかし、傷ついて心ががんじがらめになっている相手にとっては、そのような励ましの言葉は、実は気持ちを完全拒否した言葉として受け止められてしまう。つまり、「せっかく相談したのに・・・結局受け入れてもらえなかった・・・」と思われてしまう。すばらしいことが「良い」と価値判断されてしまっているので、裏を返せば、もしそうでなければ「悪い」という価値判断をしていることになるのだ。

◆このような場合、あなたはあくまでも相手の心に寄り添い、受容的な言い方で相手の話を聞いてあげることが大切だ。あなたが励まそうとするのは、聞き手である自分が狼狽するのを避け、安心したいためなのである。

4.良い報告を受けたからといって結果だけを喜んではいけない

「あれだけ頑張ったんだから、良い結果が出たんだよ」と、その結果につながった努力を褒めてあげると良いのです。(p83)

◆一緒に喜んであげるときは、精一杯喜んであげるべきだと思っていたが、どうやら喜び方にも注意が必要のようだ。「良かったね!」とこちらが一度大きく喜んでしまうと、それ以降、「こないだはあんなに喜んでくれたから、失敗したらひどく悲しませてしまうんじゃないか・・・・・・。だから失敗できない・・・・・・」などと、ネガティブな報告ができなくなってしまう人もいるらしい。そして、良い報告があったときしか連絡をしてこなくなり、相談事や悩みがあったとしても、打ち明けてくれなくなってしまう。

◆そうならないようにするために、その結果につながった努力を褒めてあげることが大切なのだ。本書は〝プロカウンセラー〟という視点から書かれているので、もしかしたら「精神面が弱い人に対しての対応だろ。おれには関係ないな。」と思うかもしれない。しかし、この意識は、あなたの会社や学校でも必要不可欠なものになりつつある。いつ、精神面がおかしくなるかわからない世の中だからだ。

5.敬語で話しつつ、ときどきラフな言葉で距離を縮める

「そんなヤツって〝ふざけるな!〟って感じですよね」と、同調しつつも、一瞬ラフな表現を使うんです。すると、その場が急に和んで、距離が縮まったような気になります。(p104)

◆相手との距離を縮めたい場合、会話の途中にときどき「ラフな言葉遣い」を挟むという方法がある。敬語をずっと使っていたところで、ほんの少しだけ意識的に敬語を使うのを止める。すると、急に距離感が縮まったような気になる。もちろん、ずっとラフな言葉遣いでは失礼にあたるケースが多い。だから、ほんの少しだけ。

◆私が、相手との距離を縮める方法として、オススメしたいのは「○○ちゃん呼び」 。これは、ビジネスの現場では失礼にあたり、難しいかもしれない。しかし、プライベートでも付き合っていきたい人と距離を縮めたい場合には、非常に使えるテクニックである。あなたも経験があるのではないだろうか。「あだ名」で呼ばれると距離がグッと縮んだような感覚を。しかし、「あだ名」で呼ばれるのはその人の性格によって、「つけやすい人」と「つけにくい人」がいる。そこで、その第一段階として、「○○ちゃん呼び」が非常に役に立つのだ。もちろん、こちらも相手の性格によって「つけやすい人」と「つけにくい人」がいるのは事実だが、確実に「あだ名」よりかハードルが低い。ぜひ、一度あなたにも試してもらいたい。

6.話題がセンシティブなときは、自分の体験を先に打ち明ける

言いづらいことを話させるときのテクニックとして、「自己開示」という手法があります。(p118)

「相手に話をさせる前に、まずは自分のことを話す。すると、心理的なハードルがグッと下がり、相手も話しやすくなる」 、これを「自己開示」と呼ぶ。

言いづらいであろう、相手の本音を聞き出すためにこのようなテクニックは非常に有効である。ただ、このときに気をつけたいのは、ただの暴露話で終わってはいけないということだ。あくまでも、あなたは「そんなトラブルがかつてあったけれど、現在はそれを乗り越えたんだ」という話をする必要がある。もし、あなた自身に経験がないとしたら、他人(例えば、後輩・友達など)の事例を持ち出してきて話すこともできる。

◆私の友達に「自己開示」の塊人間がいる。この友達は、とにかく、自分の自虐を惜しまず人に話す。それは、もう数え切れないほどの自虐ネタを。あまりに、ひどすぎて周りの何人かは「そこまで自分をネガティブキャンペーンしてどうすんの!?」と本人に何度か言っていた。だが、彼はやめることはなかった。その結果、どうなったか。彼は、先輩・後輩問わずに「絡みやすい人」としてみんなに好かれる存在となったのだ。彼は、それでも「いやぁ~、おれさぁ~なんでこんなにクズなんだろう。ねぇ~、どう?クズだよね?クズだよ!おれはぁ~!あぁ~!!あ、○○(私の名前)、ラーメン食べよっ♪ラーメン」私も彼の人柄に惹かれている一人である。

7.弱音を吐くことは厳しい時代を生き抜くためのスキル

弱音や愚痴を他人に言える=被援助志向性が高い人というのは、必要に応じて人に助けを求めることができます。それはつまり、これからの厳しい時代を生き抜いて、人としての幸福を維持していく重要な力・スキルのひとつだと言えるでしょう。(p143) 

「弱音を吐いたり、人に助けを求めることが苦手」、このような人のことを心理学では、「被援助志向性」が低い人と呼ぶ。

うつ病になりやすい人というのは、実は真面目で几帳面な性格の人が多いと言われている。そのほかにも、「完璧主義者」「なんでも自分のせいだと責めてしまう」「他人の目を気にして気を遣う」などの性格が多いようだ。このような人たちは、弱音を吐いたり、人に助けを求めることが苦手である。もし、あなたが既婚者であり、妻や夫がいるのならば、互いに吐き出せることができるだろう。そのような配偶者がいない場合、「普段はあまり合わない人」に弱音や愚痴を聞いてもらうという方法もある。 

◆私も、どちらかというと「被援助志向性」が低い方である。弱音は吐くことができるが、「愚痴」を言うことができない。経験上、「愚痴」は自分に跳ね返ってくるからだ。たいていのことは結局、自分が原因であることが多いことを知っているので、気をつけているのだ。いや、事前に自分を守るための予防線なのかもしれない。この「愚痴」こそ、コミュニケーションの大事な鍵であると思っているから難しいものだ。というのも、「愚痴」というのはコミュニケーションの上で相手と共感したとき、ものすごい一体感を味わうことができると思うからだ。また、「愚痴」を言えるということは=「自己開示」とも言える。しかし、やはり、「愚痴 」は諸刃の剣。自分の首を絞める可能性を秘めているので、このままで良いのではと思う。あ、まさにこれこそ、「認知的不協和音の法則」ではないだろうか?

【感想】

◆人とのコミュニケーションの大切さは誰もが知る事実だ。世の中には、多くのこれらの類の本がたくさんある。それほど、需要があるジャンルだと言える。「おれ、コミュニケーション能力高いからさ」、このフレーズを言える人は、あなたの周りには少ないのではないだろうか?もちろん、そのような人が少ないのは、「コミュニケーション能力が高い」と話す人はそれほどたいしたことない、と思われるのがオチなので言わない方が賢明である、と熟知しているのかもしれない。それでも、そこまで自信があるのは羨ましいことだ。自己顕示欲が強い人は成功する人が多いのだから。少し、尖っている方が今の世の中にはちょうど良い。ただ、自分の理想としては、おおっぴらに自慢をするのではなく、影の努力を良い結果として、世に広めることだ。まぁ、もうこの「Output読書」サイトに記事を書いている時点で、理想から遠ざかっているが。あくまで、理想として。

◆本書では、57の極意が掲載されているが、同じようなことを繰り返し、強調されていることに気づく。「ん。またこの話?あぁ、なるほど。とにかくこれは大切なことなんだな。うん。うん・・・え、また?」みたいな感想が本音である。しかし、だからといって本書を甘く見ないでほしいところ。よく考えてほしい。「プロカウンセラー」であるということを。あなたが、もし、同じような悩みを抱えたり、友人が似たような悩み相談をしてき際の、正しい対処法が書かれているのだ。何度も強調しているということは、たくさんの患者を見てきたなかで、それほど重要なことである。カウンセリングを受けたくないが少し話を聞いて欲しい、または、コミュニケーションで悩んでいる人や悩みがある人は、ぜひ一度読んでみてはいかがだろう。

プロカウンセラーの聞く技術・話す技術

満足度:☆☆☆  付箋数:24 

タイトル: プロカウンセラーの聞く技術・話す技術

著者: マルコ社

出版社: サンクチュアリ出版

ページ数: 224

【編集後記】

読書ツールで役立ちそうなものを見つけた。これは、役立つと思うものをできるだけ紹介していきたい。また、あとで更新するので、お楽しみに。